セミリタイアに必要な資金の算出方法

19/08/2019

貯金を切り崩して生活する際の貯金額

1億810万円

配当生活で必要な投資金

7,392万円(利回り3%の場合)

結論から言うと、東南アジアでセミリタイアに必要な資金は、貯金を切り崩す場合は1億810万円が必要で、利回り3%の配当生活の場合は7,392万円の投資金が必要です。なぜ、この金額になるのかの算出方法を紹介しています。

前回の記事「セミリタイア生活で失敗しないための最初のステップ」では、希望のセミリタイア生活するために「なぜ、どんな、誰と、どこで」の4つの項目について明確にしました。

それでは、これらの希望のセミリタイア生活をするためには、いくら必要なのでしょうか?

「どのくらいのお金があればセミリタイアできるんだろう?」「毎月の生活費を安くしたら、今の貯金額でもセミリタイアできるかな?」という疑問に答えます。

毎月の生活費を算出する

まずは、希望のセミリタイア生活をするための毎月の生活費を算出してみましょう。

生活費を算出する元となる考え

生活費の算出には、「誰と?どこで?どんな?」を基本として考えていきます。

生活費算出の元となる項目と予定例
  1. 誰と?: 一人
  2. どこで?: 東南アジア
  3. どんな?: 人に会わない、家族との暮らし中心、外食は月に10日、たまに日本

上記3項目から、どのくらい毎月の生活費がかかるかを調べます。一人暮らしの生活費が分かれば、それを元に夫婦2人は一人暮らし生活費の約1.3倍、夫婦2人子供1人は約1.6倍で計算できます。

海外生活費の調べ方としては、ネットで在住者のブログや生活情報サイトなどで、家賃・光熱費・食費・交通費などを調べていきます。最近では、各国在住者が趣味でブログをやっていることが珍しくなくなったので、調べるのは結構簡単です。

「タイ 生活費」「フィリピン 生活費」「ベトナム 生活費」など、「国名 生活費」でGoogle検索すればすぐ情報を見つけることができます。

尚、日本の場合では、「生活費.com」というサイトで一人暮らしの生活費や同棲の場合、子供がいる家族の生活費、老後の生活費がそれぞれ調べられます。

外部サイト

ちなみに、僕の居住するダナンの生活費は、下記の別記事でご紹介しています。

シンガポール以外の東南アジアでも、同じくらいの生活費になると思いますが、ダナンは高い方ですから他国ならもう少し安く住めると思います。

希望のセミリタイア生活をする為の毎月の生活費

住む場所や生活スタイルによって安く見積もることもできますが、一定の安定収入が無くなるセミリタイア生活なので、余裕のある生活費を計算した方が良いです。

日本の地方圏の平均生活費目安
  • 一人暮らし: 170,000円
  • 夫婦: 221,000円(1.3倍)
  • 子供1人の家庭: 272,000円(1.6倍)

平均的な、遊興費・交際費・被服費・日用品・医療費含める。

東南アジアの平均生活費目安(日本円換算)
  • 一人暮らし: 120,000円(中流スタイルの場合) *1
  • 夫婦: 156,000円(1.3倍)
  • 子供1人の家庭: 192,000円(1.6倍) *2

平均的な、遊興費・交際費・被服費・日用品・医療費含める。

*1. 東南アジアの一人暮らしの平均生活費12万円は、ベトナムの中流スタイルの必須生活費の960 USDに、遊興費・交際費・被服費・日用品・医療費として200 USDを足した額です。

*2. 東南アジアで子供がいる家庭の場合は、子供をどの学校に行かせるかで教育費が大きく異なります。日本人学校やローカルのインターナショナルスクールなら月700ドル前後、欧米系インターナショナルスクールなら月1,200ドル前後の学費です。

セミリタイアに必要な資金を算出する

毎月の生活費が算出できたら、次はいよいよセミリタイアに必要な資金を算出します。

セミリタイア生活は、「貯金を切り崩して生活」 「投資配当で生活」と大きく2つの生活方法に分類できます。

貯金を切り崩してセミリタイア生活するための必要資金

投資をせずに貯金を切り崩してセミリタイアするというのは、つまり、現在から生涯で必要な生活費です。

単純に、「1年分の生活費(毎月の生活費 × 12ヶ月) × 寿命までの年」で計算できそうですが、この計算方法は誤りです。

何故かというと、老後の医療費の不足とその国の平均インフレ率が考慮されていないからです。

セミリタイアで失敗する原因の一つとして、「インフレ率」と「老後の医療費」を考慮していない事が挙げられます。

インフレ率は、フィリピンやベトナムにおいて、2015年~2019年の平均インフレ率が3%を超えます。もちろん、この先ずっと3%が続くということはないと思いますが、物価上昇による生活費不足にならないためにも、セミリタイア開始から寿命までの平均インフレ率を想定する必要があります。

また、基本的に生活費に医療費も含めていますが、生涯医療費の8割は45歳以上、半分が70歳以上で占めている現実があるので、若いときと同じように生活費で医療費を賄うことができなくなります。

以上のことから、老後の医療費とインフレ率を考慮した現実的な条件で、余裕のある資金を算出しなければなりません。

貯金を切り崩して生活する費用の算出条件

下記項目を埋めて、生涯生活費の算出条件を決めていきます。記載されている内容は例なので、自分の希望のセミリタイア生活に合わせて埋めます。

項目
誰と?一人
どこで?東南アジア
1年目の生活費144万円(月12万円)
現在年齢40歳
想定寿命90歳(残50年) 2065年の平均寿命推計: 男性84.95歳、女性91.35歳(内閣府HP
想定インフレ率1.5%(50年間の平均)
老後の医療費600万円 *3
保険の有無掛け金を生活費に含める
年金考慮せず(期待しない)
仕事の報酬月5万円を10年間50歳まで(算出に含めない、余裕資金として貯金)
貯金400万円(30~39歳の平均貯蓄額: 厚生労働省調べ)
借金/ローンなし
医療費について

データ出典: 厚生労働省

*3. 日本における生涯医療費データ、40歳~90歳の医療費2000万円の3割負担で600万円。

グラフを見て分かる通り、40歳で年間78万円の医療費だったのが55歳で年間147万円と約2倍に膨れ上がります。更に、75歳では年間308万円と40歳の医療費から4倍にもなるので、生活費とは別に医療費を確保しておいた方が健全です。

尚、東南アジアでも外国人用の病院では、日本の自己負担額と同額、または、それ以上の医療費がかかるので最低でも600万円は必要かと思います。

「若いときは東南アジア、老後は日本で生活したい」という人も多いのですが、その場合は「老後 2,000万円問題」があるため、上記医療費自己負担分の600万円+2,000万円を別にして算出する必要があります。

貯金を切り崩して生活するのに必要な資金例

1億810万円 (貯金を切り崩して生活する際の資金例)

上記条件でExcelで算出すると、東南アジアで投資をせずに貯金を切り崩してセミリタイア生活したいのであれば、1億810万円の貯金が必要なことが分かります。

ちなみに、条件を日本で毎月の生活費17万円、インフレ率を1%に変更した場合は、1億7,231万円が必要です。

相談者
相談者
え!?マジ?そんなにお金かかるの?
北条
北条
寿命を想定より半分なら4,529万円になるよ
相談者
相談者
なんか想定寿命を短くしたくないw

ここで気づいたと思いますが、生涯で必要な資金が1億810万円(日本なら1億7,231万円)が必要ということは、セミリタイアしなくても定年までの生涯賃金で同じ金額を稼がなければ、老後になって生活できない計算になります。

現在40歳で貯金が400万円だった場合、年収540万円以下の人は老後の生活費が足りません。

そこで、働けない老後になってからの社会的支援としての「年金制度」があるわけですが、老後にその金額が本当にもらえるのか期待できないというのはご存知の通りです。

年金は、全くもらえないということはないと思いますが、支給額が減額されてしまった、支給開始年齢が遅く改定された、ということが現実問題としてありえなくはないので、もらえない前提で計画をした方が安心です。

もし、もらえることを前提としてギリギリの生活費で計画し、支給額の減額や支給開始年齢が70歳などに引き上げられた場合、老後になってから人生詰んでしまいます。

相談者
相談者
年収300万円の俺、もうすでに人生詰んでる…
北条
北条
だから政府は、働き方改革で投資や副業を推進するようになったよね

投資配当でセミリタイア生活するための必要資金

相談者
相談者
1億810万円を貯金とか無理ゲーでしょ・・・
北条
北条
そう!無理ゲー。だから、配当狙いの株式投資や不動産投資をしたらどうか?ってこと
相談者
相談者
配当で生活するのに、いくら投資金必要なの?
北条
北条
それを今から計算するね

配当生活の算出条件

項目
誰と?一人
どこで?東南アジア
1年目の生活費144万円(月12万円)
現在年齢40歳
想定寿命90歳(残50年) 2065年の平均寿命推計: 男性84.95歳、女性91.35歳(内閣府HP
想定インフレ率1.5%(50年間の平均)
老後の医療費600万円 *3
保険の有無掛け金を生活費に含める
年金考慮せず(期待しない)
仕事の報酬月5万円を10年間50歳まで(算出に含めない、余裕資金として貯金)
貯金400万円(30~39歳の平均貯蓄額: 厚生労働省調べ)
借金/ローンなし

算出条件は、「貯金を切り崩して生活」と同じ条件で計算してみます。まずは、40歳から90歳までの50年間に必要な年平均の生活費を求めます。

インフレ率を考慮して、10年間毎の年平均生活費を算出したあとに更に平均します。「1~10年間≒約154万円、11~20年間≒約179万円、21~30年間≒約207万円、31~40年間≒約241万円、41~50年間≒約279万円」「各10年間毎の平均 ÷ 5 = 212万円」。(Excelで計算すると簡単です)

そして、「医療費 – 貯金 = 200万円」を定年60歳までの20年間で年平均にした額を、先程の生活費に足します。((200万円 ÷ 20年) + 212万円) = 222万円(月18万5千円)。この金額が、医療費を含めた年生活費になります。

想定利回り

続いて、配当利回りを何%で運用するのかを決めます。株式、投資信託、ETFなどの金融商品は、平均的に3%前後の利回りを期待できます。

金融商品によっては、0~10%前後の利回りを得られますが、利回りが高くなればなるほど価格は高く、損失リスクは高くなる傾向があります。目標値としては、利回り5%が一般的です。

ただし、これは手数料や税金を考慮していませんから、実際の利回りは1%ほど低くなることが想定されます。つまり、3%利回りの金融商品であれば、実際に現金を受け取れるのは2%になるということです。

配当生活で必要な資金例

7,392万円 (利回り3%の場合)

利回り3%(ネット)で年間222万円の配当を得るとなると、こちらも単純計算で「33.3 × 222万円 = 7,392万円」が必要ということが分かります。

ちなみに、条件を日本で毎月の生活費17万円、インフレ率を1%に変更し、老後2000万円問題を足した場合は、1億2,421万円が必要です。(東南アジアの生活とは、約5,095万円の差額です)

相談者
相談者
貯金するよりも3,500万円くらい安くなったね。(でも高いけど…
北条
北条
もし、寿命が半bn・・・
相談者
相談者
おい!それ以上言うのやめろw

下記の表は、一人あたりの「東南アジア生活で年間222万円の配当」と「日本の地方圏生活で年間373万円の配当」得るための利回りと投資金の一覧です。

利回り投資金(東南アジア生活)投資金(日本の地方生活)
1%2億2,200万円3億7,300万円
2%1億1,100万円2億5,000万円
3%7,392万円1億2,421万円
4%5,550万円9,325万円
5%4,440万円7,460万円
6%3,700万円6,218万円
7%3,172万円5,330万円
8%2,775万円4,663万円
9%2,468万円4,148万円
10%2,220万円3,730万円

ちなみに、「自分は絶対結婚しないし、日本へも一時帰国しない、死ぬまで東南アジアの田舎生活で貧乏セミリタイアでも全然OK。」っていう人生ハードモードの人なら、1年目の生活費を60万円とした上で利回り5%で運用するのであれば、1,700万円くらいあればセミリタイア可能です。

利回りは、ずっと固定というわけではありませんし、金融商品によっては下落リスクも伴います。将来的に価値が低くなることも、高くなることもありますので、受け取れる配当額も変動してきます。

そのため、利回りは低く見積もり、余裕をもった投資金を準備した方がリスクをその分減らせます。

セミリタイアしながらの仕事の報酬も、必須の生活費の足しにするのではなく、配当が減ったときのために余裕資金として貯めておいた方が健全です。

相談者
相談者
ちょwリスクの高い10%利回りでも2,200万必要とかw
北条
北条
リスク考えると利回り5%が理想だから、4,400万円貯めないとね…
相談者
相談者
俺、毎月3万円しか貯金できねーし、無理ゲーじゃね?

 

では、無理ゲーに見える目標の金額を、どのように達成させればいいのでしょうか?

さて次回は、どうしたらもっとお金を稼げるのか?どうしたらもっと貯金できるのか?というところを紹介していこうと思います。

セミリタイア資金を貯める副業リスト

どうすればセミリタイアできるのか?

  1. セミリタイア生活で失敗しないための最初のステップ
  2. セミリタイアに必要な資金の算出方法 ← 今ここ
  3. セミリタイア資金を貯める副業リスト
  4. セミリタイア資金を何年で貯められるか